2008年7月アーカイブ

前回、パートタイムの方にお願いしたい業務内容とおおよその工数を洗い出した。
これらの業務の中はかなり細かいことを考慮する必要があるものがあり、慣れるまでは結構時間がかかるであろう。最初から細かい仕事の内容をすべて伝えることができればいいのだが、実践でないと理解できないことが多い。仕事を引き継ぐために必要な時間を考えると躊躇してしまうのだが、これからもっと複雑になっていくことを考えると早い方がよい。
工数をざっと見ると、一日平均2時間業務を手伝っていただくことから始めればよさそうに思う。では、どの時間帯がよいか。お客様からの見積もり依頼に対する対応が日常的に発生する業務であるが、お客様からいつ依頼があるかは予測できない。お客様からの見積もり依頼にはなるべく速く応じたいところだ。
ここで、もうひとつ問題が見えてきた。お見積もりには納期を記載するが、納期は社内メンバーのスケジュールを把握していないと判断することができない。実際には把握だけでは不十分で、どの翻訳者がいつ担当すれば最短で納品できるか、またその翻訳者と相談してスケジュールを決めなければならない。つまり、翻訳業界でよく知られている「コーディネーター」という職務に就いている方でないと難しい。このコーディネーターという職務は現在私が担当している。パートタイムの方にコーディネーターの業務も担当していただくことが理想的ではあるが、コーディネーターはフルタイムでないと勤まらない仕事である。(と決め付けているだけかもしれないので、再考する必要あり。)

見積もり、スケジュール、経理システムが密接に関係していることが、日常業務を分担することを難しくしている。難しいが方法はあるはずだ。

社員が増え、仕事が増えると、日常業務も増えてくる。
現状では、ほとんどの日常業務を私が担当しているが、これは個人事業では通用しても会社としてはいずれ通用しなくなる。そこで、私が日々担当している日常業務を洗い出し、まずはパートタイムの方に業務を手伝っていただくことを検討していきたい。以下に日常務業務のうち、パートタイムの方にお願いしたい業務と社長が継続していく業務をまとめる。

  • パートタイムの方にお願いしたい業務
見積もり作業(販売管理ソフトへの記入、お見積もりのPDF出力)経理(記帳)
会計士さんによる帳簿の確認の対応(帳簿の修正・更新)
請求作業(販売管理ソフトへの記入・発行・送付。お客様指定の請求書がある場合はそれに記入。)
給与計算(社会保険、雇用保険、源泉徴収)
賞与計算(社会保険、雇用保険、源泉徴収)
社会保険への賞与支払届けの手続き
昇給・減給があった場合の社会保険手続き
飲み物やお菓子の調達

  • 社長が継続していく業務
お客様からのお仕事の問合せの対応(いずれはマネージャが担当)
お見積もりPDFの送付 (いずれはマネージャが担当)
事務所の掃除


パートタイムの方にお願いしたい業務を発生頻度で分類しそれぞれの大まかな工数をまとめる。

  • 日常的に発生する業務
見積もり作業(販売管理ソフトへの記入、お見積もりのPDF出力)[1h/day]
経理(記帳)[0.5h/day]

  • 月に何回か発生する業務
請求作業(販売管理ソフトへの記入・発行・送付。お客様指定の請求書がある場合はそれに記入。)[5h/month]
飲み物やお菓子の調達 [1h/month]

  • 月に1回発生する業務
給与計算(社会保険、雇用保険、源泉徴収)[1h/month]

  • 年に何回か発生する業務
会計士さんによる帳簿の確認の対応(帳簿の修正・更新) [6h/year]
賞与計算(社会保険、雇用保険、源泉徴収)[2h/year]
社会保険への賞与支払届けの手続き[2h/year]

  • 年に1回発生する業務
昇給・減給があった場合の社会保険手続き[1h/year]
決算(会計士さんが必要な書類をまとめる)[1h/year]

次回は、この情報を元に、パートタイムの方の勤務スケジュール(いつ、どれくらい)をまとめたい。

製品のオプションの説明で以下のような文があるとします。
「モーターとバッテリが組み合わされた電源ユニットオプションを用意しています。」

英文の場合は単数・複数を明確に書かなければならないので、電源ユニットオプションは複数あるのか、そして各電源オプションユニットはいくつのモーターといくつのバッテリで構成されているのかを文脈から読み取るか、読み取れない場合は執筆者に確認した上で翻訳する必要があります。

例えば、複数の電源ユニットオプションがあり、各電源ユニットオプションが1つのモーターと1つのバッテリから構成されている場合は、英語では次のように書きだすと分かりやすいと思います。

We offer various power unit options. Each option consists of a motor and a battery.

You can get some good authentic Mexican food in California and Texas.
You can get some good authentic Mexican food in California or Texas.

上記の2つは意味としてはどう違うのでしょうか。

前者は、一般的な話の場合に使われ、後者は具体的な話の場合に使われます。
これは、日本語でも同じようなことが言えると思います。

前者は、一般的な話として、「本格的なメキシコ料理は、カリフォルニア州『と』テキサス州で食べることができます。」という具合に使います。

後者は、より具体的な話で、例えば、「本格的なメキシコ料理を食べるにはどこへ行ったらいいかな?」という質問に対して、「本格的なメキシコ料理だったら、カリフォルニア州『か』テキサス州で食べることができるよ。」という具合に使います。

FrameMakerで作成された和文をTagEditorを使って「快適に」英訳するには、次のような工程が必要になってきます。

  1. 事前に不要なフォントタグを削除する。
    和文の作成方法にもよるかもしれませんが、日本語文字とアルファベット文字が混在していると日本語文字になるたびに文字書式の言語が「Nihongo」になり、英語文字になるたびに文字書式の言語が「USEnglish」になります。これをそのまま、S-Tagger for FrameMakerでSTFファイルに変換すると、大量の<:fc>タグがソーステキストに入ってきてしまい、TagEditorでの翻訳作業をやりにくくするだけでなく、翻訳メモリ(TM)もタグだらけになりメモリ内検索に支障をきたします。
  2. 事前に和文の索引項目の読みを削除する。
    和文の索引を作成するには、索引項目の読みが必要ですが、英語では不要です。
    翻訳の工程で削除しておかないと、FrameMaker上で一つ一つ読みを削除する作業が発生してしまいます。
  3. S-Tagger for FrameMakerのVerifierのバグを回避する。
    内部タグに日本語が含まれている場合、Verifierは日本語の部分を認識せず、内部タグエラーが起きてしまいます。例えば、相互参照のタグ <:xr "30ページ" 1>というようなタグがあった場合、Verifierは、訳文内に完全に一致する<:xr "30ページ" 1>というタグがあっても<:xr "30" 1>と認識してしまい、以下のエラーを発生してしまいます。
    "The internal tag <:xr "30" 1> is not a valid tag."
弊社では、上記1と2については、秀丸マクロを使ってmifファイルを事前にクリーンアップしています。このマクロを公開します。[マクロをダウンロード]

  • このマクロはすべての不要なタグを完全には消去できないかもしれません。
  • このマクロは自己責任でお使いください。
  • このマクロを使うことによって発生するいかなる事象についても、弊社は賠償/保障に関する一切の責任を負いません。

上記3については、回避方法があります。以下に示します。

  1. Workbenchで、エラーが起きたTTXファイルをクリーンアップします。RTFファイルが出力されます。
  2. S-Tagger for FrameMakerのSettingsタブで、STF file format を Rich text format (RTF)に設定します。
  3. Convert STFタブで、RTFファイルをMIFに変換します。
この手順を踏むことによって、S-Tagger for FrameMakerのタグチェックをバイパスすることができるようです。(タグチェックをバイパスするので、他のエラーがあるとFrameMaker上で問題が起きるかもしれません。他のエラーを事前に修正しておくことが必要です。)

上記について改善方法などありましたら、ぜひお聞かせください。

弊社が使用しているアプリケーションのバージョン情報
  • TagEditor 8.0.0.826 (Build 826)
  • S-Tagger for FrameMaker 8.0.0 (Build 809)
  • FrameMaker 7.1p116
  • 秀丸 5.11 & HMJRE.DLL V1.72
「心臓の弱い方は使用しないでください。」の「心臓の弱い方」の訳がすぐ思い浮かば
なかったので、The Japanese-to-English Prestidigitatorに聞いてみました。

If you have a heart condition,

いやあ、そのとおり。でも、思い浮かばなかった。
思い浮かばないときに気軽に相談できるメンバーがいると本当に助かりますね。

Thank you, the one-and-only prestidigitator.
6/26と6/27にテクニカルコミュニケーター協会(TC協会)開催の「製作ステップアップ講座」を受講してきました。盛りだくさんの講座でしたが、その中でも今後の日本メーカーの取扱説明書がどのように変わっていくのかについての見解がおもしろかったです。
(ここで紹介させていただく情報は、私の解釈が入っていますので、TC協会様が意図していた内容と必ずしも一致しないかもしれませんのでご注意ください。)
まず、「マニュアル」や「取扱説明書」という言葉はすでに古く、今後は「取扱情報」として捕らえていかなければいけないというお話が新鮮でした。確かにお客さんが必要とする製品に関する情報は、単に操作手順を説明している取扱説明書ではまったく賄いきれなくなっており、オンラインで閲覧できる製品紹介チュートリアルビデオや「こんな用途で使ってみてはどうですか」といった提案の情報など、多岐に渡っています。
また、取扱説明書自体、製品を使うためだけでなく、その製品を購入するかどうかの判断資料として使われるようになっているというお話がありました。新製品のニュースリリースがあると、その製品の取扱説明書のダウンロードアクセスが増えるという現象が起きているということです。つまり、取扱説明書は、カタログやパンフのような役目も果たすようになってきているということになります。
また、取扱情報は、すでに紙で提供されるものと紙以外で提供されるものの分離が進んでいますが、今後、紙で提供される部分はますますページ数が減少し、様々な媒体で提供される情報への窓口の役目を果たすようになるであろうという見解が示されました。

産業翻訳を中核の業務とする弊社としては、色々な媒体や形式で提供される情報に対応できるようにしておかなければいけないと再認識するいい機会になりました。
取引をさせていただいている会社からの依頼で、Idiom WorldServer Desktop Workbenchを使用する機会がありました。

IdiomもTradosと同様、SDL社が提供している翻訳メモリ(TM)テクノロジーです。
Tradosとインタフェースが違うだけで基本は同じですね。
おおざっぱにまとめると、Trados TagEditor、Multiterm、Synergyという個々のアプリが一体化されたシステムという感じでしょうか。(Synergyのスケジュール管理のようなものはないようです。)

Idiomの特長としては、製品のユーザーインタフェースの翻訳のときに重要な文字数制限をチェックする機能があるというところです。例えば、組み込みヘルプなどの場合、45文字x3行に収める必要があるというような制限がありますが、訳文がこの制限を超えると赤い背景などで警告してくれます。

また、100%マッチよりさらに上にICE (in-context exact)マッチという一致状態があります。これは、対象のセグメントの前後のセグメントも100%一致することを意味します。
翻訳メモリの弱点は、センテンス単位で一致率を判断していることだという意見をよく耳にします。確かに文脈によっては、原文は同じでも訳は違う文にした方がよい場合があります。前後のセグメントも考慮したICEマッチは、この弱点を補うために考えられた機能と考えられます。

Idiom WorldServer Desktop Workbenchの短所は以下のとおりです。
  • 同時に複数のプロジェクトを開くことができない。
    従って、複数のプロジェクトをまたがって、検索と置換ができない。
  • エクスポートは、テキスト、Idiom WorldServer Desktop Workbench形式、Idiom WorldServer形式しかない。
  • テキストエクスポートは、属性、原文、訳文がタブ区切りで出力されるが、訳文に強制改行(Alt+Enterで入力した改行文字)があると別の行になってしまう。つまり、Excelで開いたときに訳文が細切れになってしまい、しかも欄がずれる。
  • エクスポートするときにデフォルトのファイル名が設定されていないので、一々指定しなければならない。
  • TagEditorと同様、ワープロ(MS-Word)やテキストエディタ(秀丸)では当たり前のワイルドカードや正規表現検索・置換の機能が貧弱。
  • TagEditorと同様、和文が原文のコンコーダンス検索が貧弱。基本的に欧米メーカーの製品は、スペースで単語を区切らない言語のコンコーダンス検索が貧弱ですね。

今年はアメリカ人とカナダ人の数名の方が、弊社の新入社員向けの職務 (entry-level position)に応募してくれました。
その中でも弊社を第一志望と考えていただいているとみられ、とても積極的でありながら謙虚な姿勢も持ち合わせている青年が目立ちました。この人との面接が最初だったので、面接の後、「申し訳ないですが、後何人かのインタビューが残っておりますので、2週間お待ちください。」と伝えました。実際には、この時にすでに私の考えはほぼ固まっていたのですが、既にインタビューを約束していた他の人たちにも平等にお話してから決めるべきだと考えたので、お待ちしていただくことにしました。彼にとってはとても長い2週間であったのではないかと思います。
私は、会社のメンバー全員がお互いに建設的な批判をし合いながら成長できるような職場を作っていきたいと考えています。そのような職場を作るには、メンバー一人一人が積極的でありながら謙虚であることが必要だと思っています。今回入社していただいた人はそういう意味でぴったりだと思いました。きっと素晴らしい相乗効果が現れるでしょう。
また、積極的な姿勢は、お客様の信頼を得るためにも大事な要素だと思っています。私の好きな言葉に「プラスアルファの努力」というのがあります。お客様が期待すること以上のことをする。これこそが、お客様との信頼関係を築く鍵だと思っています。お客様が喜ぶところを想像して、プラスアルファの努力をする。今回入社していただいた人は、こんなことが自然にできる人であるように思いました。
今後の会社および個々のメンバーの成長が楽しみです。

和文
タスクの実行時間は、直接設定するものではなく、予約されている他のタスクの数と優先度によって間接的に決まります。
英文
You cannot directly set the time of task execution. The time of task execution is determined by the number of other scheduled tasks and by their priority levels.

このような場合、英語では、「間接的」の直訳である「indirectly」を入れてはなりません。

日本語では、「間接的に決まります」が「直接設定するものでない」ということを
意味しますが、英語で「indirectly」を入れると、「タスクの実行時間」が「予約されている他のタスクの数と優先度」に直接関係がないというような意味になってしまいます。
実行時間は、予約されている他のタスクの数と優先度によって一意的に決まるので、直接関係があります。

このように、同じような言葉でも、文脈によって日本語と英語で意味が違ってくる場合があるので
注意が必要です。

これは、弊社の Japanese-to-English Prestidigitator がある類似した文章を翻訳していて
気づいた点です。