Idiom WorldServer Desktop Workbench

取引をさせていただいている会社からの依頼で、Idiom WorldServer Desktop Workbenchを使用する機会がありました。

IdiomもTradosと同様、SDL社が提供している翻訳メモリ(TM)テクノロジーです。
Tradosとインタフェースが違うだけで基本は同じですね。
おおざっぱにまとめると、Trados TagEditor、Multiterm、Synergyという個々のアプリが一体化されたシステムという感じでしょうか。(Synergyのスケジュール管理のようなものはないようです。)

Idiomの特長としては、製品のユーザーインタフェースの翻訳のときに重要な文字数制限をチェックする機能があるというところです。例えば、組み込みヘルプなどの場合、45文字x3行に収める必要があるというような制限がありますが、訳文がこの制限を超えると赤い背景などで警告してくれます。

また、100%マッチよりさらに上にICE (in-context exact)マッチという一致状態があります。これは、対象のセグメントの前後のセグメントも100%一致することを意味します。
翻訳メモリの弱点は、センテンス単位で一致率を判断していることだという意見をよく耳にします。確かに文脈によっては、原文は同じでも訳は違う文にした方がよい場合があります。前後のセグメントも考慮したICEマッチは、この弱点を補うために考えられた機能と考えられます。

Idiom WorldServer Desktop Workbenchの短所は以下のとおりです。
  • 同時に複数のプロジェクトを開くことができない。
    従って、複数のプロジェクトをまたがって、検索と置換ができない。
  • エクスポートは、テキスト、Idiom WorldServer Desktop Workbench形式、Idiom WorldServer形式しかない。
  • テキストエクスポートは、属性、原文、訳文がタブ区切りで出力されるが、訳文に強制改行(Alt+Enterで入力した改行文字)があると別の行になってしまう。つまり、Excelで開いたときに訳文が細切れになってしまい、しかも欄がずれる。
  • エクスポートするときにデフォルトのファイル名が設定されていないので、一々指定しなければならない。
  • TagEditorと同様、ワープロ(MS-Word)やテキストエディタ(秀丸)では当たり前のワイルドカードや正規表現検索・置換の機能が貧弱。
  • TagEditorと同様、和文が原文のコンコーダンス検索が貧弱。基本的に欧米メーカーの製品は、スペースで単語を区切らない言語のコンコーダンス検索が貧弱ですね。

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