2009年3月アーカイブ

次のような表現は混乱を招く恐れがあります。少なくとも私は混乱しました。

Setting the Communication Mode to Enable or Disable Encryption

これは、「通信モードを設定することによって暗号機能を有効または無効にする」ということが言いたいのですが、「AをBまたはCに設定する」ということを表す「Set A to B or C」という形式によく似ているため、「通信モードを Enable (Encryption)またはDisable Encryptionに設定する」という意味で解釈しようとして混乱する可能性があります。
特にこの例のように各単語の頭文字が大文字になっている見出しでは、「Enable」と「Disable」が画面表記(あるいはボタン名)に見えるため、誤解を招きやすくなると思います。一意に解釈できる書き方を以下に示します。

Specifying the Communication Mode to Enable or Disable Encryption
Configuring the Communication Mode to Enable or Disable Encryption
Enabling or Disabling Encryption by Setting the Communication Mode
Setting the Communication Mode in Order to Enable or Disable Encryption


補足
Microsoft Manual of Style Third Edition では、以下のような記述があります。

in order to    A verbose phrase that is usually unnecessary. Use just to instead.

つまり、「in order to」はたいていの場合、冗長な語句であるので、単に「to」を使いなさいということです。「たいていの場合」ですから、この場合は、明快な文にするため、あえて「in order to」と書き出すということになります。


前回のブログ記事に基づいた英文(訳ではありません)を例に弊社での
英文チェック工程を紹介します。

今回は、私が作成した原稿を英語を母国語とする社員に2人にチェックしてもらいました。

私が作成した英文(クリックすると拡大できます。)
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1人目の社員のチェック結果(クリックすると拡大できます。)
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2人目の社員のチェック結果(クリックすると拡大できます。)
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最終の英文(クリックすると拡大できます。)
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今年に入ってから受注状況が著しく悪化している。前期の同時期の売り上げと比較すると1/4ぐらいになっている。過去15年間何度か不況と呼ばれる時期があったが、幸い弊社の受注状況にはあまり影響がなかった。しかし、今回の不況は違う。お得意様も相当大変そうだ。一時帰休を実施しているところも多い。

弊社もいよいよ社員を一時帰休せざるを得なくなった。4月は、社員に長期間一時帰休してもらうことにした。国からの中小企業緊急雇用安定助成金は本当にありがたい。この制度のおかげで、今年の夏ぐらいまでは、なんとかリストラをしなくて済むであろう。せっかくここまで築きあげてきた社内のチーム体制での翻訳環境が白紙に戻ってしまうのはなんとしても避けたい。

この状況に関しての社員の理解も大変ありがたい。弊社の給与体系は、成果報酬の割合が多いため、このように仕事がない状況になると、社員の給与は伸びない。経験を積んできた社員がもっと条件のよい職に転職してしまってもおかしくない状況であるが、会社の受注状況が回復しないかどうかをできるだけ様子を見てくれそうである。また、心を打たれたのは、「社長としては、私が早く去った方がよいですか。」ととてもオープンに聞いてくれたところだ。これは、私が会社をどうしたいのかということを問いかけているということになる。

苦しい状況から開放されたいという気持ちがないと言ったらうそになる。リストラを実施し、昔のようにフリーランス形態に戻れば、様々な心配事から開放されるからだ。自分の家族だけの生活を成り立てていくぐらいの売り上げならば、なんとか確保できるであろう。

ただし、安易な道を選ぶのは間違いだ。弊社で展開しているチームによる翻訳環境は、個人個人の翻訳能力やライティング能力を効率よく向上させることができる。お客様に最高の品質の翻訳を提供するためにも不可欠である。英語を母国語とする社員から学んでいることは計りきれないし、チームで仕事をすることは、人と人とのコミュニケーションを養い、人格をも磨いてくれる。このすばらしい仕事環境を放棄することは、自分の成長にブレーキをかけてしまうことになる。

どうにかこの難局を切り抜けたい。